グランドピアノのある家

宝塚市「ピアノのある家」
大きな吹抜けの中には
アクセントになる螺旋階段。

人が集い音や食事を楽しむ場所と
プライベートな空間を両立した木の家。

賑やかな母屋から渡り廊下でつないだ
畳敷きで床の間のある離れは
静けさや落ち着きの空間になりました。

■ 外皮平均熱還流率 UA値:0.48W/(㎡・K)
  =6地域 HEAT20 G1水準
  =断熱等性能等級5

Data

戸建住宅

所在地
宝塚市
延床面積
145.52㎡ ( 44.01 坪)

オーナー様の声

吾輩は完成間近の家である。名前はもうじき表札に記される。吾輩のご主人様は奇妙な日本人女性で、四十年以上住んでいなかったこの日本に戻り、幼少時代に住んでいた関西地方に家を持つと決心したそうだ。彼女は法律も専門用語も知らず、なんとなく住みたい場所で電車を降りて近所を歩いてみたり、不動産屋やモデルハウスに行ったりという期間がかなり長く続いたそうだ。ある時、訪問した中部地方にある他社のモデルハウスの建築家がシーエッチ建築工房を推薦したということである。


吾輩を置いておくための土地については、シーエッチ建築工房の浪江社長と石田建築士に数々の物件の日当たりやまわりの環境をチェックしていただいたらしい。吾輩のご主人様のこだわり、彼女の性格や経験などを研究し、考慮し、シーエッチの数人の建築士がインスピレーションに基づいてアイデアを出し合い、吾輩のユニークな設計図ができ上がったらしい。


年に一度程来日する、ご主人様のパートナーはフランスで築百五十五年の石造りの家をコツコツとリフォームする人だが、木の家づくりにも興味津々である。彼によると、フランスでの新築や改築事情は、冗談抜きに気をつけないと騙される世界で恐ろしい。例えば、見積書に隠された罠、工事中に誰かが住み着く危険、工事最中の建築会社の倒産、いい加減なプロセス、不良品の納入、工事現場の汚さ、などキリがない。それに鍛えられてきた吾輩のご主人様にとって、シーエッチとの吾輩造り(家づくり)はいい意味で期待外れだった。彼女もパートナーもシーエッチ建築工房では全てスムーズにいくことにかなり感激していた。


吾輩は今でこそ立派な黒い焼杉板という外套をまとっているが、最初は骨だけだった。吾輩の骨格を造るために、二〇二四年三月にご主人様とフランス人パートナーがシーエッチ及び梼原の森林組合主催の伐採ツアーとして、吾輩の親である四国の梼原の山に挨拶をしに来たのである。その際、吾輩の最初の骨が選ばれ、吾輩の親である山々に感謝の言葉がささげられた。山から持ってきたその骨は今でも吾輩の上半身に使われているのがわかるはずだが、吾輩の全身ができるには結局二百本ぐらいの骨が必要ということであった。吾輩の工事着工前には地鎮祭が行われ、吾輩の居心地がよくなるべく、土地に鍬が入れられ、お祷りが捧げられた。二〇二四年八月末から九月の台風の季節にかけては吾輩を風から守るということで、徳毛現場監督や野月棟梁が吾輩の骨組みの外にシートを被せてくれた。上棟式では吾輩の体の四隅と中心にお米やらお酒やらをかけてもらい、いい気分になった。


吾輩は家として、上々の出来である。シーエッチ建築工房が造る吾輩の兄弟姉妹たちの平均背丈は2m20㎝ということであるが、吾輩はもっと背が高く、約5m程ある。吾輩のご主人様は背が低いくせに、吹き抜けがあって空に届くぐらい高い天井の家に住みたいというこだわりがあるため、吾輩は足長で、下半身は2m80㎝、上半身は約2mである。上棟式の後、上半身と下半身を繋ぐための金物(螺旋階段というらしい)がクレーンで釣り上げられ、まだ完成していない吾輩の頭から入れられ、1㎜のくるいもなくきっちり収まった時は胸が高鳴った。


工事中は吾輩のご主人様はしょっちゅう吾輩と顔を合わせていた。日本にいる限りは、着工当初は週3~4回、完成間近の二〇二五年五月になると、ほぼ毎日吾輩に会いに来てくれた。そして毎回吾輩を見るや否や、吾輩の写真を撮るのである。外見だけでなく、時には吹き抜けの足場にまで登り、吾輩の体の隅々まで細部がよくわかるように、である。彼女は建築の知識がないので、さまざまな質問を野月棟梁に投げかけていた。これは何ですか、何のためですか、どうしてこれはあれより先にするのですか、など。野月棟梁は毎回ちっとも嫌がらず、初心者にもわかるように楽しそうに説明をしてくれたのである。ご主人様のパートナーも吾輩に会いに来て、吾輩の体をチェックし、体質を心配し、質問してきた。彼は家専門の医者のごとく、吾輩の健康を気遣ってくれたので、吾輩は安心できた。


去年までは骨でしかなかった吾輩の体も、徐々に断熱や防湿の肉がつき、立派な木材でできた皮膚も付き、吾輩の輪郭も顔も一人前(一家前)になっていった。吾輩はどんどんお化粧をされ、帽子も被せられ、アクセサリーもつけられ、西邑さんのチームにより外構も建ち、植栽もされ、とうとう吾輩は巨大な生花になってしまった。ある日吾輩は、ご主人様と石田建築士とセキュリティの会社の高橋さんがしゃべるのを聞いた。どうやら、吾輩の身体のあらゆる所にカメラなんぞを取り付けるらしい。飾りではなく、吾輩を守るためだという。なんだかこそばゆい。でもご主人様は、カメラの設置場所を決めるには住んでみてからの方がいいので、もう少し時間が必要だと言っている。


普通に人気のある物が欲しいとは限らないご主人様にとって、変更や追加のオネダリはよくある話である。ある日吾輩は、ご主人様が徳毛現場監督と野月棟梁に真剣な面持ちで質問をしているのを耳にした。どうやら、吾輩の頭の中の骨があまりにも格好良く美しく組まれたために、それをカバーしてしまうのは勿体無いので、丸出しにしたいと言っていたようだ。しかし丸出しにするには化粧された骨を使っておかなければならず、すでに遅しという事で、ご主人様はそのアイデアを諦めざるを得なかった。浪江社長や石田建築士によると、天井がフラットな方が美的なバランスがあるということで、ご主人様も納得をしたようだ。後に上棟式の御幣が吾輩の頭の中に大事にしまわれていて、吾輩を守ることができると知り、ご主人様の顔がより明るくなったのだが、フランス人のパートナーは今でも吾輩の頭蓋骨の丸見えの頭の方がいいと言っているようだ。


吾輩は今、非常に腹が減っている。吾輩の胃袋(棚や引き出し)は、石田建築士が実際の物の寸法(例えば醤油瓶やオリーブオイル瓶の高さや、ご主人様の靴のハイヒールの高さなど)を図りながら設計をしてくれ、大工さん達が一つ一つ時間をかけて造ってくれた。これらの胃袋は、至る所、例えば玄関、洗面所、クローゼット、台所などにあるのだが、全て空っぽだ。吾輩の腹を足してくれる服やら靴やら本やら食器やらが日本に到着するのが楽しみである。吾輩は家ながら、考えた。ここはこだわりの注文を出すご主人様とそれを解決する(必ずしも受け入れるだけでなく、ご主人様の無理な考えを正したり、一番良い解決法を提案する)シーエッチ建築工房の方々や愛情を持って細部に注意を払って工事に関わる基礎屋さん、大工さん、左官屋さん、外構屋さん、などあらゆる職人の方々が熱演した木々の劇場である。そんな美しい方程式から産まれた吾輩のこれからの使命はご主人様に寄り添い、彼女の老後を見守ることである。

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