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西宮市「ぼたもちの家」草屋根のリアル

― 1年住んでわかった、維持費・水やり・土の話 ―

「草屋根の家に住んでいます」と言うと、
ほとんどの方が「え、屋根に草が生えてるんですか?」と驚きます。

そして「それって大変じゃない?」
「こんな田舎でわざわざ芝を張ったの?」
「緑なんて既にたくさんあるのになぜ?」ということを
続けて尋ねられることがほとんどです。

確かに、屋根の上に芝生がある暮らしは、
木の家の中でもめずらしいと思います。
ですが実際に1年近く暮らしてみて感じているのは、
思ったより大変ではないし、想像以上に心地いいです。

今日は、わが家の草屋根について、
「費用」「管理」「施工の様子」など、
リアルな部分をありのままお話ししたいと思います。

昨年7月、既に雑草が生えている屋根


■ 草屋根ってそもそもなに?

草屋根とは、
屋根の上に土と芝を敷いた「緑化された屋根」のこと。
ヨーロッパや北欧では古くから採用されていて、
断熱性や遮熱性に優れ、自然環境にもやさしいとされています。

わが家では、「自然とつながる家」をテーマに家づくりを進めていく中で、
草屋根を「風景の一部」としてデザインに取り入れることにしました。

建物は平屋で、山に囲まれた自然豊かな場所。
屋根の芝生が緑の丘とつながるように見える風景は、
季節によって表情を変えてとても素敵でした。

写真ではわかりにくいですが、秋の山になじむ冬枯れした芝屋根。


■ わが家の草屋根:使っている土と芝の話

草屋根に使う土や芝は、コストはかかるものの
メンテナンス性や将来性を踏まえて検討しました。
わが家の草屋根の土は草屋根専用に開発されたもので、

保水性と排水性を両立しながらも、
軽量で屋根の構造に負担をかけないように設計されています。

芝も、オリジナルの強い芝を使用。
寒暖差や風雨にも強く、枯れてしまったり、雑草に負けたり
大きく禿げてしまうようなことは一度もありませんでした。
根の張りもよく、定着がしっかりしています。


■ 潅水装置で自動水やり:水道代のこと

毎日水をやっているんですか。と尋ねられることもあります。
我が家の屋根は
潅水(かんすい)装置を設置して、
自動的に散水されるようにしています。

そのおかげで、日々の手間はありません。
真夏でも水やりを忘れ焦ることなく安心です。
▽写真ではわかいにくいですが黒いホースがあります


ただ。昨年夏の水道代は1〜2万円ほどかかりました。

地域や気候によっても違うと思いますが、
「自動化=ゼロメンテ」というわけではなく、
コスト面の理解は必要かもしれません。

とはいえ屋根の水が熱を奪って気化するため
真夏でも屋根が太陽の熱を吸収しにくいので、
室内の温度上昇が抑えられて、冷房の効きが良くなります。

水道代は高価になりましたが、
夏場も夜間は冷房をつけること無く過ごせ
その心地よさには代えられないなと思いました。
(冷房は身体が芯から冷えてしまい苦手です)


■ メンテナンスと芝刈り

「屋根の芝って、どうやって刈るの?」とよく聞かれます。
芝刈りは、昨年は鎌と芝用バリカンで刈りました。アナログです。

芝が青い、春から秋の間に
雑草を抜いたり芝刈りをするのですが
特に雑草も芝も伸び放題だった昨年の夏は
まだ0歳だった娘が寝るたびに屋根にあがり

せっせと作業していると道行くご近所さんから
「暑いから」と特性の赤紫蘇ジュースをいただいたり
「ガソリンの芝刈り機使う?」と声をかけていただいたり
なんだか近所の交流が生まれて面白かったです。





おすすめの電動芝刈り機を、
草屋根の施工業者様から教えてもらいましたが
芝刈り機の重量が20kg弱あり屋根に上がる腕力がないこと、
加えて上記の潅水装置のホースを切ってしまわないか心配で
結局鎌と芝用バリカンで終えた昨シーズンでした。

草屋根の面積や傾斜にもよるとは思いますが
芝刈りは自分たちでできるメンテナンスです。

また、芝の間に雑草が生えてきたら軽く抜いたり、
端部の芝を整えたりと、細かな手入れも必要ですが、
「庭の手入れ」と同じような感覚で楽しんで作業しました。
夫の本音は...「住人十色」で放送されていましたね。
(長くなるので割愛)


■ 施工中の様子

草屋根の工事は、ちょっとしたイベントのようでした。
とくに印象的だったのは、レッカーで土や芝を屋根に持ち上げること
普段なら地面に敷くものを、人の手で屋根にあがるには重すぎるので
クレーンで吊り上げて屋根に敷くという光景は、まさに庭造りでした。

土が敷かれると屋根が茶色くなり
芝が張られると屋根が風景になじみ
暮らしはじめた6月の終わりにはすっかり緑に。

建築と自然の融合を体感するような、
不思議でおもしろい空間になりました。
我が家に遊びに来た人からは「家の上に丘がある」と言われます。


▲レッカーで屋根に土をあげる様子


▲茶色くなった屋根


▲土が敷けたら芝をまた上げて

 
▲芝も敷き詰めていただきました
(この写真を見ると住宅街ですよね)


■ 草屋根のある暮らしで感じたこと

草屋根に住んでみてよかったと思うことはたくさんありますが、
何よりも大きいのは、「家が景色に溶けていく」という感覚を日常的に味わえることです。
春には芝の緑が鮮やかになり、夏には屋根の上でトンボやバッタが遊び、
秋にはうっすらと色が変わっていきます。自然のサイクルが、屋根の上にある。

また、ハイキングに来た方やご近所の方が、
「素敵なお家ですね」と声をかけてくださることも多くて、
草屋根が「景色の中の風景」として親しまれていることが伝わってきます。


2024.夏


2024.秋


2024.冬


■ 草屋根、向いている人・向いていない人

正直なところ、草屋根は長所も短所もあるので
誰にでもおすすめできるものではありません。

「屋根に芝があるって楽しそう!」と思える方にはおすすめです。
でも、「手間をかけたくない」「手入れが大変そう」「虫が苦手」
「初期費用もランニングコストも最小限にしたい」という方には、
少しハードルが高いかもしれません。

それでも私は、この屋根を選んでよかったと思っています。
草屋根は、見た目がやさしいだけでなく、気持ちもやさしくなる屋根です。


■ 最後に:自然と一緒に暮らすという選択

「屋根に芝があるだけ」と言えばそれまでですが、
そこには暮らしへのまなざしや、自然との距離感
そして家づくりに対する姿勢が表れています。

草屋根は、単なるデザインの一部ではなく、
私たち夫婦の想いや価値観がかたちになったもの。
もし、「自然とともに生きる家」に惹かれているのでしたら
草屋根という選択肢を、考えてみてください。

ご覧になってみたい方は、
6月の見学会でぜひお越しください。
https://www.ch-wood.co.jp/event/completion/kinoie_nishinomiya_hiraya0622

我が家ではありませんが、
6月には新築の完成見学会も予定しています。
https://www.ch-wood.co.jp/event/completion/kinoie_takarazuka_kengakukai


それでは、また来週。


watanabe2.jpgのサムネール画像のサムネール画像
渡邊

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