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2025/10/10
丹波篠山市「大きな木の下の平屋」造作打合せ
造作打合せを行いました
秋の気配が少しずつ感じられるようになった丹波篠山市。
その静かな里山の一角で、「大きな木の下の平屋」の工事が順調に進んでいます。
▷上棟時のブログ:https://www.ch-wood.co.jp/blog/tanbasasayama_hiraya_joutou
今回は、現場にて造作打合せを行いました。
図面の上で繰り返し検討してきた家具や収納の寸法を、
実際の空間の中で、体感しながら確かめていく大切な時間です。
只今現場は瓦屋根の施工中。
ダンボールで家具をかたどる
打合せのためにダンボールを使って
実際に設置予定の家具の形を再現しました。
高さや奥行き、ボリューム感を
目で見るだけでなく、その場に立ってみることで
「ここはもう少し低くてもいいかも」
「通り抜けの幅はこれくらいがいいですね」
といった具体的な感覚が生まれます。
図面で数値を追っているときには
気づかない“暮らしのスケール”を
身体を通して感じられるのが、現場打合せの醍醐味です。
「図面よりも、わかる」
お施主様にも実際にキッチンに立っていただき、
家事動線や目線の抜けを確かめながら打合せを進めました。
「この位置に立つと、窓から見える木の枝がちょうどいい高さですね」
「この棚の奥行きなら、いつもの本が入りそうです」
そんな会話が自然と生まれていきます。
ダンボールの家具は簡易的ではありますが、
“暮らしを想像するための模型”としてはとても優秀です。
図面上の線だったものが、実際の高さや奥行きを持つことで、
空間がぐっと現実の暮らしに近づいていきます。
自然とともにある暮らしを想像する
この家の敷地には、栗や銀杏の木があります。
春には新緑が光を透かし
夏にはたっぷりと木陰をつくり
秋には黄金色の葉を落として土を豊かにします。
その木の下に建つ家で
家族がどんなふうに日々を過ごしていくのか。
そのイメージを、造作打合せを通して
少しずつ具体的にしていきました。
(敷地に生える栗の木)
窓際に腰かけて外を眺める時間
台所で立ちながら外の木漏れ日を感じる時間
小さな手が木の実を拾って帰ってくる時間。
ひとつひとつの家具や高さを考えることは
そんな「これからの暮らし」を描くことと同じです。
現場に流れる穏やかな時間
この日の現場は、
曇り空で静かで穏やかな日。
木の香りと、外から入る澄んだ空気。
お施主様も現場を歩きながら、
「実際に立ってみると違いますね」としみじみ。
家が形を持ちはじめると、図面だけのときとは
また違う“実感”が湧いてきます。
棚の位置、取手の高さ、
天板の厚みなどを一つずつ確認。
「この家の暮らしにちょうどよい」
バランスを探っていきました。
体で感じる“ちょうどよさ”
シーエッチ建築工房の家づくりでは、
図面やスケッチを用いての打合せだけでなく
現場で“体感して決める”プロセスを大切にしています。
実際の場所に立ち、手を伸ばし
座ってみて、歩いてみて、
そのときの感覚で「ここがいい」と
思える位置に落とし込む。
それは数値で決めるよりも時間がかかりますが、
完成後の“心地よさ”に確実につながると感じています。
お施主様からの贈りもの ― 栗
打合せのあと、
敷地の栗の木から採れた栗をいただきました。
つややかで立派な栗。
手のひらに乗せるとずっしりと重く
まるで秋の実りそのもの。
「よかったら持って帰ってください」と
笑顔で手渡してくださった栗を、
大切に袋に入れて事務所へ戻りました。
現場で過ごした時間の余韻が残る帰り道。
夕方の光の中で、山並みが少しずつ
茜色に染まっていくのを眺めながら
「この栗で、何を作ろうかな」と思いを巡らせていました。
娘と過ごす栗の時間
後日、栗を自宅に持ち帰り
1歳の娘と一緒にその栗を取り出しました。
娘は興味津々で両手に持ち上げたり
床に並べて転がしてみたり。
小さな手の中で、栗はまるで宝物のように見えました。
そんな姿を見ていると
現場で見上げた大きな木と
そこから生まれたこの小さな実が、
まるで世代を超えて命をつないでいるように感じられました。
夕方、娘の遊びがひと段落したあと
栗の皮を丁寧にむいて、炊飯器に。
炊き上がると、ふんわりと甘い香りが家じゅうに広がりました。
秋のごちそう「栗ご飯」。
少し塩をきかせて、おにぎりにしてみました。
現場から食卓へ、そして会社へ
翌日、その栗ご飯のおにぎりを持って出社。
打合せや現場を共にしているスタッフみんなで
美味しくいただきました。
「お施主様からいただいた栗なんです」と伝えると
みんなの表情がぱっと明るくなり、
「秋ですね」「ありがたいですね」と自然と笑顔がこぼれました。
現場での打合せが、こうして食卓につながり、
栗というかたちで“家づくりの時間”を共有できたこと。
それがとても嬉しく、心に残る出来事になりました。
家づくりは、暮らしの延長にある
この丹波篠山の家を訪れて感じたのは
家づくりは建物をつくるだけではなく
その土地の空気や季節のうつろい、
人とのつながりを形にしていくものだということです。
現場での打合せも、食卓のひとときも、
「これからの暮らし」へとつながっていきます。
大きな木の下で、
家族が季節を感じながら穏やかに過ごす日々。
その情景を思い描きながら、ひとつひとつの工程を
丁寧に進めていきたいと思います。
芦屋市「平屋の家」がまもなく完成します
同じく“平屋の暮らし”をテーマにした
芦屋市の「平屋の家」が、もうすぐ完成を迎えます。
段差のないやわらかなつながり、
季節の光と風を取り込む大きな窓、
家族の距離感がほどよく保たれる間取り。
平屋ならではの落ち着いた暮らしを、実際に体感していただける見学会を開催します。
自然とともに暮らす心地よさを、ぜひ現地で感じてみてください。
「平屋の家」についてのブログはこちら
👉 https://www.ch-wood.co.jp/blog/kinoie_ashiya_hiraya
完成見学会の詳細はこちら
👉 https://www.ch-wood.co.jp/event/completion/kinoie_ashiya_kengakukai?post_id=23565
おわりに
ダンボールでかたどった家具から始まった打合せが、
やがて栗ご飯となって、みんなの笑顔をつくる。
そんなふうに、家づくりと暮らしがゆるやかにつながっていくことが、
シーエッチ建築工房の何よりのよろこびです。
これからも、土地と人、そして季節の恵みを感じながら、
「その人らしい暮らし」が自然に息づく家をつくっていきたいと思います。
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渡邊
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