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2026/09/08
西宮市「ぼたもちの家」なくても、よくなった
こんばんは。渡邊です。
ここ数日、とても涼しくなりましたね。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
家を建てて、
なくなったものがたくさんあるなと
最近よく考えるようになりました。
例えば。
テレビを見なくなりました。
時計も、あまり見なくなりました。
外食をすることも、
旅行に行くことも、
ずいぶんと減りました。
休日だからといって
どこかへ出かけることもなくなりました。
買い物をすることも
以前より少なくなった気がします。
そしてこの夏、
屋根の芝刈りに使っていた
鎌も、とうとうなくなりました。
家を建てる前には
そんなふうになるとは思っておらず。
むしろ、家を建てたら、暮らしが便利になって
これまでよりももっといろいろなことを
楽しむようになるのだと思っていました。
けれど、実際に暮らしてみると少し違います。
何かを足したというより
いらないものが、少しずつなくなっていった。
そんな感じでしょうか。
テレビを見なくなった。
家を建てる前は
テレビがついていることが当たり前でした。
なんとなくつけて、なんとなく眺める。
見たい番組があるわけではなくても
音がないと少し寂しいような気がして。
今は、ほとんどテレビを見ません。
テレビが嫌いになったわけでもありません。
ただ、家にいるとテレビ以外に
心を向けるものがたくさんあるのです。
庭の木を眺めたり、
本を読んだり、
ご飯をつくったり、
薪を準備したり。
子どもが遊んでいるのを
眺めているだけの日もあります。
特別なことをしているわけではありません。
でも、そういう時間が楽しいので
テレビを見る時間が自然となくなりました。
時計を見なくなった。
もうひとつ、意外だったのが
時計を見る回数が減ったことです。
以前は、時間を確認するために
時計を見るのが当たり前でした。
今は、ふと気づくと、時計を見ずに
休日を過ごしていることがあります。
朝は、窓から入ってくる光で目が覚める。
昼になると、家の中が明るくなる。
夕方になると、少しずつ光がやわらかくなって
「ああ、もうこんな時間なんだ」と気づく。
暗くなってくれば、そろそろ晩ご飯。
子どもが眠そうになれば、そろそろ寝る時間。
時計が教えてくれていたことを
家の明るさや、様々な音が
教えてくれるようになりました。
出勤している日はそうはいきませんが
「何時だから」ではなく
「暗くなってきたから、そろそろご飯にしよう。」
そんなふうに一日を過ごすことが、心地よくなりました。
食事を、ゆっくりとるようになった。
食事の時間も変わりました。
家で食べるご飯が、おいしい。
ほとんど外食をしなくなりました。
豪華な料理をつくるわけではありません。
むしろ、シンプルなものばかりです。
ご飯を炊いて、味噌汁をつくって、野菜を焼いて。
それだけの日もあります。
それでも、家で食べるご飯がおいしい。
庭を眺めながら食べたり
家族と話しながら食べたり。
急いで食べて
次の予定へ向かうのではなく
食卓にいる時間そのものを楽しむようになりました。
「何を食べるか」だけではなく
「どこで、誰と、どんなふうに食べるか」
家を建ててから
そのことを以前より
意識するようになった気がします。
特別なレストランでなくても
特別な料理でなくても
家で、ご飯を家族とゆっくり食べる。
それだけで十分に
幸せだと思えるようになりました。
植木鉢が、空っぽになった。
これは、家を建てる前には
想像もしなかったことです。
私は植物が大好きで
引越前は、家の中やベランダに
様々な植木鉢を置いていました。
鉢に植物を植えて
花が咲けばうれしくて。
実がなれば収穫して食べて。
でも、今は植木鉢が空っぽです。
庭に木があり、花が咲き、鳥がやってくる。
季節が変わるたびに、少しずつ景色が変わっていく。
朝、庭を見る。
窓の外に鳥がいる。
花が咲いている。
昨日より少し葉っぱが増えている。
それだけで、十分になりました。
わざわざ小さな鉢の中に自然をつくらなくても
家のまわりに自然がある。
鳥や花が、ずいぶん身近になりました。
以前は「植物を育てる」ということを
自分の手で植えて、水をやって、
世話をすることだと思っていたのかもしれません。
今は、庭の木が芽吹いたり
花が咲いたり、鳥がやってきたりするのを眺める。
そんなふうに、自然と一緒に暮らすことも
植物を育てることなのだと思っています。
鎌を使わなくなった。
そして、この夏。ついに。
屋根の芝刈りに使っていた鎌も
とうとう使わなくなりました。
いつかのブログに書きましたが
草屋根の芝刈りは、これまで鎌を用いていました。
屋根に上って、少しずつ刈っていく。
それも草屋根のある暮らしのひとつで
案外嫌いでもありませんでした。
でも、この夏。
いよいよ、草刈り機を買いました。
2歳児と遊んですごす休日に
鎌では、手入れが追いつかない。
そんな夏でした。
芝を刈る前の屋根は、こんな感じ。
子どもが埋もれるくらい、よく育ちました。
家を建てた当初は
きれいに整えられた草屋根を思い描いていました。
でも、実際に暮らしてみると
草は伸びるし、手入れも必要だし
ときには「もう少し楽をしたい」と思います。
そんなことも含めて、わが家です。
きれいに整えられていることより、
家族がその場所で楽しそうにしていること。
そちらのほうが、今は大切です。
草に埋もれている子どもの姿を見ると
「まあ、これはこれでいいか。」
と思ってしまいます。
そうして、この夏、鎌を卒業しました。
旅行に行かなくなった。
旅行も、以前ほど行かなくなりました。
新築前は年に2回は夫婦で旅に出ていました。
旅行が嫌いになったわけではありません。
きれいな景色を見るのも、
知らない場所に行くのも大好きです。
でも、旅行から帰るといつも思います。
「やっぱり家がいい」。
どんなに素敵な宿でも
結局いちばんよく眠れるのは我が家。
自分の布団があって
いつもの光が入ってきて
いつもの音がする。
朝起きて、窓を開ける。
庭を見る。
それが、なんだか落ち着くのです。
旅行に行かなくても
家で過ごす時間が十分に
「休日」になりました。
遊びに行かなくなった。
以前は、夫婦共休みの日になると
「せっかくだから、どこかへ行こう。」
と思っていました。
今は、そう思うことがほとんどありません。
家にいたい。
家族と過ごしたい。
庭に出たり、遊んだり、ご飯をつくったり。
そしてこの夏は
保育園のお友達の家族と一緒に
自宅前の川で遊びました。
水着に着替えて、家からすぐ川へ。
子どもたちが遊んでいる横で、大人たちも遊ぶ。
どこかへ出かけなくても
「今日は楽しかったね。」
と言える一日になる。
それどころか
友達家族と一緒に過ごす場所まで
自宅になりました。
家が楽しいって、本当に最高です。
無駄遣いも、減った。
そして、もうひとつ。
無駄遣いが減りました。
欲しいものがなくなったわけではありません。
むしろ、欲しいものは今でもたくさんあります。
でも、家を建ててから
「これは本当に必要だろうか」と
考えるようになりました。
庭をもっと良くしたい。
季節の花を植えたい。
薪を準備したい。
料理をしたい。
家族でご飯を食べたい。
本を読みたい。
何もせず、ゆっくりしたい。
家の中にはまだまだ沢山
やってみたいことが残っています。
だから、どこかや何かにお金を使うより
この家で過ごす時間に使いたいと思うようになりました。
「節約しよう」と思うのとは、少し違います。
自分たちが何にお金や時間を使いたいのかが
以前よりはっきりした。そんな感覚です。
なくなったものの代わりに。
こうして並べてみると、
家を建ててからずいぶんと
いろいろなものがなくなりました。
テレビを見る時間。
時計を見る時間。
植木鉢。
外食。
旅行。
休日のおでかけ。
なんとなく買っていたもの。
そして、鎌。
でも、不思議なことに
暮らしが寂しくなったとは感じません。
むしろ、逆です。
家族と話す時間が増えました。
食事をゆっくりするようになりました。
庭を見る時間が増えました。
鳥の声に気づくようになりました。
季節の変化を、以前より身近に感じるようになりました。
子どもが家の中を走り回るのを眺める時間も増えました。
友人と家で過ごす時間も増えました。
そして何も予定のない時間を
楽しめるようになりました。
家は、ただ雨風をしのいだり、
食事をしたり、眠ったりする場所ではありません。
「どんな暮らしをしたいか」をいつもいつも
お施主様に問う身としてはよく知っています。
ただ、住んでみて深く実感しました。
どんなふうに朝を迎えるのか。
どんなふうにご飯を食べるのか。
休日をどう過ごすのか。
家族と、どんな時間を過ごすのか。
そういう毎日の小さな選択まで
少しずつ変えていくもの。
家を建てたことで、暮らしが豊かになった。
そう言うこともできるのかもしれません。
でも、私自身は少し違うように感じています。
何かが増えたというより、
大切にしたいもの以外が、少しずつなくなった。
家を建てる前は
外にあるものも楽しみたくて
いろいろと気を外に向けていた気がします。
今は、家の中にあるものに
目が向くようになりました。
窓から入る光。
庭の木。
季節の花。
鳥の声。
食卓。
家族の笑い声。
家の前の川。
草屋根の上で遊ぶ子どもの姿。
特別なものではありません。
でも、そんな特別ではないものを
ちゃんと「いいな」と思える暮らし。
家を建てるということは
住む場所を変えることだけではなく
自分たちが大切にする時間を選び直すこと。
最近はそんなふうに思っています。
明日は定休日。天気予報は雨。
娘と何をして過ごそうかわくわくしています。![]()
渡邊
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