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2026/10/27
神戸市「くの字の平屋」完成まであと少し
こんにちは。渡邊です。
今年は本当に雨が多いですね。
その分「秋」がしっかりあるので嬉しいです。
先日はお施主様から栗をいただいたので
自宅で娘と一緒に栗仕事をして
たくさん炊けた栗ごはんを
会社の皆といただきました。
いつもありがとうございます。

近隣との視線を考えた、くの字の平屋
神戸市北区の静かな住宅街で
平屋の住まいが完成に向けて工事を進めています。
完成までは、あと1か月半ほど。
今回の住まいは、建物を上から見ると
その名のとおり「く」の字の形。
この家はあえて建物を折り曲げた形にしました。
その理由は、敷地の周囲との関係にあります。
家を建てるとき、間取りや窓の位置
部屋の広さなど、考えることはたくさんあります。
その一方で、実際に暮らし始めてからの
心地よさを左右するのが、周囲との視線の関係。
窓の向こうに隣家の窓が見える。
庭に出ると、道路を通る人と目が合う。
そんなことも、毎日の暮らしの中では気になるものです。
今回の敷地も、住宅街の中にあります。
周囲に住宅がある環境だからこそ、
近隣との視線ができるだけ合わないよう
建物の形や配置を工夫しました。
そこで採用したのが
「く」の字の平面形状です。
建物をまっすぐに配置するのではなく
途中で角度をつける。
そうすることで、
建物そのものが視線をかわします。
外からの視線を遮るために
ただ高い塀をつくるのではなく
建物の形によって視線の通り方を考える。
今回の「くの字」には、そんな設計の意図があります。
上棟を終え、柱や梁が組み上がってすぐのころ。
この段階では、まだ窓も仕上げもありません。
ですが、建物の骨格が見えてくることで
平面図だけでは伝わりにくい建物の形が
少しずつみえてきてわくわくしました。
「く」の内側に生まれる庭
建物を「く」の字にすることで
生まれるのが、その内側に囲われた庭。
建物が庭を包み込むように配置されているため
道路や隣家に対して開きすぎることなく、
外の空間を暮らしに取り込むことができます。
庭は、ただ眺めるためだけの場所ではありません。
窓を開けたときに目に入る景色であり、
室内に光を届ける場所であり、
家の中と外をゆるやかにつなぐ場所でもあります。
住宅街であっても
周囲の視線を気にせず、
窓の向こうに自分たちの庭がある。
そんな環境が日常にあることは
暮らしの心地よさにつながるのではないでしょうか。
道路側についても、カーポートがちょうどよく
視線を遮るように計画しています。
建物の形だけで完結させるのではなく
カーポートの位置や庭との関係も含めて
外からの見え方を整えています。
家の中から庭を眺めたときと、道路から家を見たとき。
それぞれの視点に立って考えることで、
内側には落ち着いた居場所をつくりながら
外側からは周囲の住宅街になじむ住まいを目指しました。
▲上棟から1か月ほど経ったころ。窓が設置されました。
もともとあった石積みを生かす
今回の敷地では、既存の石積みも大切にしています。
新しく家を建てるとき、敷地をいったん更地にして
すべてを新しく整える方法もあります。
けれど、土地には
その場所で過ごしてきた時間があります。
以前からそこにあった石積みも
この敷地が持つ風景と想い出。
今回の計画では
その石積みをうまく残しながら
新しい住まいとの関係を考えました。
建物だけを切り取って考えるのではなく
周囲にあるものも含めて住まいをつくる。
そうすることで、新しく建つ家でありながら
その場所に以前からあった風景ともつながっていきます。
新しいものをつくること。
今あるものを生かすこと。
その両方を考えながら、敷地全体を計画しています。
現場でお施主様と家具の最終確認をした日。
これから作る家具や壁を明確にお伝えするため
石田さんが描いたスケッチを元にテープを張り
お施主様と現地でたくさん打合せをしました。
図面の中の住まいが、暮らしの場所へ
床の施工が進むと、空間の印象も変わってきます。
それまで下地の状態だった床に仕上げ材が張られ
部屋の雰囲気が少しずつ感じられるようになります。
やさしい表情の杉の床は
驚くほど良い香りがします。
今年は雨の日が多いので、よりいい香り。
完成した住まいでは、床も壁も天井も
すべてが当たり前のように整っています。
けれど、その当たり前の風景も
設計で素材を決め、現場監督が発注し、
納材されたものを大工さんや職人さんが現場でひとつずつ
手を重ねてできあがっていくもの。
私自身シーエッチの木の家に住んでいますが
暮らして2年が過ぎた今でも毎日
それぞれ作ってくれた人の顔を浮かべながら
ありがたみを感じながら暮らしています。
建物の形や庭といった大きな計画から
床や壁などの細かな仕上げまで。
それぞれの工程を経てようやく
ひとつの住まいになっていきます。
丁寧に丁寧に組まれた小下がりの框。
材木屋さんと大工さんの目利きがあってこそ。
この框と杉の床のとりあいは、いつもとても綺麗で
シンプルながら難しい施工で、惚れ惚れします。
完成まで、あと少し
神戸市北区の「くの字の平屋」。
近隣との視線が合いにくいよう考えた建物。
その内側に生まれる庭。
道路からの視線に配慮したカーポート。
そして、敷地にもともとあった石積み。
ひとつひとつは別々の要素ですが
それぞれが関係し合うことで、
この場所ならではの住まいになっていきます。
ここから造作工事が進むと
家具の配置や、それぞれから見えるもの
居場所がたくさん生まれてきます。
窓の外に何が見えるのか。
庭で過ごすとき、周囲が気にならないか。
外から帰ってきたとき、どんな景色が迎えてくれるのか。
そんな日々の何気ない場面を思い浮かべながら
建物の形や配置を考えています。
完成までは、あと1か月半ほど。
工事が進むにつれて
これまで図面や骨組みの中にあった住まいが
少しずつ暮らしの場所へと変わっていきます。
完成したときには
この「くの字」がつくる庭や
周囲との距離感も含めて、
住まい全体をご紹介できればと思います。
どうぞお楽しみに。![]()
渡邊
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