ブログ
2019/12/15
番外編《はたらく夫婦の》間取りと窓取り
こんにちは。渡邊です。
12月もついに半ば、寒くなりましたね。
二十四節気は間もなく「冬至」を迎えます。
今年は12月22日だそうですね。
さて、今日は「番外編」ということで
少し長くなるかもしれませんがタイトルのとおり
間取りと窓取りについて、はたらくご夫婦の目線での
ブログを書いていこうと思います。
全5項目、どうぞお付き合いください。
■1.はじめに
■2.間取りづくりのポイント
■3.「窓取り」ってどんなこと
■4.「はたらく夫婦」の嬉しいこと
■5.ウッドデザイン賞受賞「子育てを楽しむ陽だまりの家」
■1.はじめに
「はたらくご夫婦」と書くと
あいまいに聞こえるところもあると思いますが
働くといっても家の外と内、どちらもありますよね。
旦那様がお勤めに出ていて、
奥様が家事をされているお家もあれば
奥様が主な収入源として働かれていて
ご夫婦で家事をされているお家もあります。
なので特定のご家族にこだわらず
様々な「はたらく」目線で綴っていきます。
浴室の前に脱衣室をつくったり
台所の近くに食堂を設けたり
玄関には靴収納を作ったり...
というような「間取り」の話ではなく
間取りをつくる上で気にかけている
ちょっとした小話として読んでください。
それでは、はじめます。
■2.間取りづくりのポイント
さて、本題ですが間取りって何でしょうか。
間を取る、と書くように、敷地の中での「間」、
すなわち部屋を配置して間取りを作っていくことをいいます。
では、どうやって間を取るのでしょうか。
その中にはたくさんのコツがあるのです。
街中に建てるのか、田舎に建てるのかによっても
間取りの考え方が変わるのはお察しのとおりですが
接道している方向や、お隣のお家、風のとおりみち
光の入り方、陽の入りや陽の出の方向、角度、
階段の場所、車の停め方、木を植える場所…など
書き出すときりがないくらいの要素を検討して
ようやくそれぞれの部屋の間取りが決まるのです。
ときどき、間取りはどうやって決めればよいか
ご相談をいただくこともあるのですが、敷地にもよりますし
本音を申しあげるとすると、お施主様では決められることではなく
「どんな風に暮らしたいのか」を設計される方にしっかり伝えて
それ以降はお任せされるのが良いのではないでしょうか。
もっと知りたい方は、
◎1月25日(土)13:00-15:30の住まい教室
「いい家ができる設計」にてお伝えしてまいります♪
https://www.ch-wood.co.jp/event/2020/01/25130000.html
■3.「窓取り」ってどんなこと
ところで、タイトルにしている
「窓取り」って具体的にどんなことでしょうか。
これも大切なポイントのひとつなのです。
窓というのは採光や通風のためだけではなく
内と外をつなぐ役割も担っています。
なので間取りを考えるとき、窓の取り方を考える、
それを「窓取り」といういい方をしています。
どれだけ良い間取りであっても
カーテンを閉めたまま暮らさないといけない
窓を開けても車のおしりが見えるだけだったり、
隣の家の窓が見えてしまうような窓取りでは
良い間取りとはいえません。
しっかりと、窓を開けて光と風を取り込み
窓辺がきもちいい場所になるように
建物を配置していくことが大切です。
窓を良い場所にとることで
こうしてこどもたちの遊び場所になったり
ぽかぽかのんびりできたりするのです。
これも上の写真は4月、下の写真は11月。
夏の日差しは高く、日中は真上から差し込むのに対し
冬の日差しは低く、斜めからゆるやかに落ちてきます。
季節や時間によって陽が射す角度が異なるのです。
よって
半袖の季節には、たっぷり出した庇が陰をつくり
長袖の季節には、陽が室内まではいるように
お日様となかよく付き合う窓の取り方を
私たちは家づくりの中で大切にしています。
■4.「はたらく夫婦」の嬉しいこと
私は、3LDKの賃貸マンションで2人暮らしなのですが
朝から晩まで働きながら、日々家事をしていて
暮らしの中で思うことがたくさんあります。
例えば
食材を置く場所が無い、作った料理を並べる場所が無い
陽が落ちてきて洗濯物を取り入れると、置く場所が無い
洗濯物を干すとバルコニーがいっぱいになってしまい、通れない
ちょっと一息つける場所があったらな。
台所から和室が見えたらいいのにな。
キッチンの近くに洗濯物をとりこめて
煮込んだりしてる間にアイロンかけたり畳んだりできたらな。
暮らしのストックの場所がもっと融通きいたらいいのにな。
かさばる冬もの、なんとかしたいなあ。
お風呂の掃除道具はどこに置こう...など
ほんとうに書ききれないくらい日々色々思うのですが
きっとこのブログを読んでくださっている方の中でも
暮らしの悩みがある方、多いのではないでしょうか。
そして私の場合は、この○○だったらな、を
お施主様とのプラン打合せの中では
何よりも大切に伺うことにしているのです。
せっかくつくるお家づくりですから。
今の暮らしで何が不便なのか、
どうすればそれが良くなるのか
それを良くすればどうなるのか...ということ。
同じ間取りでも「暮らし」が違うと
不便に感じることはきっと違うはず。
私だったら
キッチンの近くにワークスペースが欲しい。
玄関と洗面室が近いと朝の支度が楽かもしれない。
室内には陽があたる物干しスペースを。
マンションだけど縁側があると楽しそう。
そこでのんびり珈琲を飲みたい。
そんな想像が膨らみます。
そういった話をお施主様とたくさんしているのです。
■5.ウッドデザイン賞受賞
「子育てを楽しむ陽だまりの家」
そうした家づくりを心掛けている先日のこと、
宝塚市で4月に竣工した「子育てを楽しむ陽だまりの家」が
ウッドデザイン賞を受賞しました。
このお家もここまでに書いたような
どう暮らしたいかを中心にたくさん話しながら
間取りを決めてつくったお家。
▼ウッドデザイン賞2019
https://www.wooddesign.jp/
▼施工事例「子育てを楽しむ陽だまりの家」
https://www.ch-wood.co.jp/case/2019/04/01162455.html
今日のブログにはたくさん、
お子さんが写っている写真をつかっていますが
この写真が今回の受賞のお家の写真です。
実際に、どんな暮らしがしたいか
作ったお部屋ではどんなことがしたいのか
そういったことや日当たり、風の抜け
ご家族の動きを考えながら設計しました。
このお家は階段が特徴的で
家具のように中が収納になっています。
水まわりからもLDKからもアクセスが良い場所に
あえて区切りすぎない収納を設けることで、
自由に片付けられるようになりました。
こどもたちもいつも楽しそう。
お引き渡しから7ヶ月が経って
受賞のご報告と共にお家へ伺い
暮らされてからのことを話したのですが
子どもたちが毎日走りまわっていること
ご友人様がいらして早めのクリスマスパーティをしたこと
庭に植えた植栽が元気にのびのび育っていること
床にマーカーで落書きをしても、しっかりとれたこと
植木が枯れかけたが、すぐ外構屋さんが来てくれたこと
お子さんの習いごとや、キッチンの使い勝手まで
本当に色々なことをお話しました。
受賞、おめでとうございます!
物としての家、間取りではなく
そこに暮らしてどんな気持ちになるのか
どんな気持ちになって欲しいのかという
「心」につながる部分や
光や風の入り方や目線の抜け
家族の出入りや、家事動線など
間取り図では書かれていないことも
ぜひひとつ、考えてみてください。
プランができたときには
設計スタッフのそんな想いも
想像していただけると嬉しいな、なんて
そんなことを考えながらブログを書きました。
おつきあい、ありがとうございました。
渡邊