古民家移築・再生

古民家移築レポート

左官の外部塗りと併行して進行中なのが、内部の塗装仕上です。 いろいろ試した結果、昔からある古色の"柿渋"と"べんがら"にたどり着きました。(うちの会社は着色なしの自然のままの色を生かす方法を得意としてきたので、この組み合わせに至るまでは長い道のりでした。)とはいうものの、決まってからが難しいところでして、まずは色の濃さの配合です。いかに新材を歴史ある古材の色に近づけるか…。ただ濃く塗ってしまうのではなく、"着色しても木目がしっかりとわかるように仕上る"というのが大きな難点でした。お施主様と何度も色の濃度を確認し、塗装屋さんには木目がくっきりわかるよう、余分な塗料を残さないために一本一本塗ってはしっかり拭き取る、という手間のかかる作業を繰り返してもらいました。 作業が進むにつれて、今まで古材部分ばかりが目だっていた家も、新材が古色に染まっていくにつれて、違和感なくどんどん一体化していき、それはもう力強い空間の広がりが出現 してきました。 古来からある塗料を使うことで、いやみなく、古材に馴染む色を演出できたと思います。 いにしえの日本の知恵が詰まった古色を使った成果、写真でご覧下さい。

※柿渋…渋柿から得られる淡赤褐色半透明の液体であり、酸味のある特有の香りがある。防水・防腐の効果を持つ。塗布、乾燥直後の色はごく薄い茶色であるが、日光にあたるほど濃い褐色に発色する。

※べんがら…弁柄、紅殻などの当て字で表される。名称の由来は最初にインドのベンガル地方から輸入されたためといわれる。日本でも古来から土器や埴輪に塗られてきた。基本的に暗赤色。耐光性、耐候性、耐熱性がともに高く、化学的にも極めて安定性がある。また安価で毒性もないため、広範に使用されている。

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