古民家移築・再生

古民家移築レポート

4月に棟も上がり、一段落した古民家。次は外壁の施工にかかります。門柱が立ち、構造材の板を徐々に埋めるにつれ、がっちりしていく古民家ですが、柱・梁が剥き出しだった頃に放たれていた黒々とした威圧感も、すでに外観からは感じられなくなりましたが…しかし、中に入ってみるとなんのその!より迫力のある立体感と一層深みを増した黒々しさはちゃんと健在していて、外の雰囲気と内の雰囲気のギャップで、アッと驚くような佇まいになっています。

5月。さあここでまた大きな工事が待ち受けています。下屋の建方工事です。主に新材を使用するため、作業は手際よく進む予定でしたが、またそこに立ちはだかる大きな壁。それはやはり前回のレポートに引き続き「古材」でした。入口正面の上に古材の丸太をもってくる予定なのですが、残っている材の中になかなか手ごろなものが見つかりません。そこで大きな丸太を加工することになったのですが、今現場にある工具では加工できないということで、お世話になっている材木屋さんにお願いすることになりました。大きなノコギリ刃が自動でグルグル回っている機械に丸太をセットし、いざ加工へ。あんなに大工さんを苦しめたケヤキ材がまるでハムでもスライスするかのようにスイスイと見事に加工され、仕上がった丸太は無事、入口部分に迫力一杯に取り付けられ、下屋の建方は無事に進んでいきました。(加工は機械に頼りましたが、仕口【木材と木材の接合】はやはり熟練の大工さんの担当です。これにも苦労したのは言うまでもないのですが…)。

6月。次に断熱材の施工に入ります。これに向け、大工さん以外に水道・電気・ガスの逃げ配線と各種様々な工事がめまぐるしく進み、いざ断熱材の吹き付けへ。ここで使われる高気密・高断熱のウレタンフォームと呼ばれる断熱材は、施工面にスプレーで吹き付けると、まるでカップケーキみたいにモコモコと膨れるもので、外壁面に順調に吹き付けられていきました。(その下準備として飛び散り防止のため、古材の化粧面がグルグル巻きに養生された状態になるのですが、見た目は倉庫か大型冷蔵庫みたいになっちゃいました。)

以上の過程を経て、高い断熱性能を兼ね備えた移築古民家となったわけですが、新潟の古民家からはるばる運ばれてきた古材と最先端の建築技術との融合に、ここでもまた感慨深さを感じました。

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