古民家移築・再生

古民家移築レポート

3月に入り、いざ建方へ!とレッカー車で組み上げてはいくものの、材を寝かして置いていたときとは違い、実際に建ててみると予想外の木の反りがわかります。柱・梁の加工の位置は、その反りを頭に入れて一本一本寸法を追っていかなくてはなりません。『柱を建てる→立ちを見て寸法を計る→加工して立てる』地道なその反復作業の結果、ある程度の建物の立ち・寸法が決まってゆくのですが、作業はなかなか進みませんでした。また古民家の再生は一度解体した建物を組み直す作業のため、建てる順番が決まっているのですが、実際にこの順番がつかめるようになるまでは、「あっちが先や!」「こっちが先や!」と建てては外し、組み直しては建てるの繰り返し…。本当に最初は"三歩進んで二歩下がる"といった進み具合でした。(昔はどのくらいの期間で建方をしていたのか見てみたいものです。)

3月中旬、ある程度建方が組み上がり、いざ棟上へ…!!とそうはうまくいかないのが古民家でありまして、天井廻りの梁やらは、長い歳月を経てきたための腐朽が進んでいたり、反り・収縮がおこったりしているため、ぐんにゃりと曲った材を作り替えなくてはいけません。またせっかくなので梁を追加しようかといった箇所があるものの、それらを一体どう加工するのかがまたまた大工さん達の悩みの種となり…。しかしそこはさすが優秀な職人集団、「俺の親父がここはこうしてたなぁ~」とか「昔はこうやったよ」といった風に知恵を出し合いながら、材の寸法・加工の位置を決めて材に刻み、いよいよ3次元での材との戦いの始まりです。まさに古の大工との知恵比べといったところでしょうか。しかしそこはやっぱり頼りになるシーエッチの見込んだ大工のみなさん!試行錯誤しながらも"刻み"と"建て"とを繰り返し、「どんなもんだい!」という声が聞こえてくるかのごとく、見事に建方ができていきました。

そして4月初旬、やっとの思いで棟上まで辿り着きました。当日は今までの苦労をねぎらうかのような快晴で、棟木をかけ垂木を流し、屋根は矩勾配(45°傾斜)で見る者を圧巻するスケール!!棟木が堂々と座るその姿に、思わず大工さんたちの顔もほころび、棟梁の「これでゆっくり寝れる」と呟いた顔には誇らしさと安堵が入り混じり、なんとも印象的でした。澄み渡る青空のもと、現場に携わった全ての者にとって忘れられない棟上でした。

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