古民家移築・再生

古民家移築レポート

吐息は白くなり、手が悴む(かじか)季節。「兵庫の古民家」は、"刻み作業"に入りました。通常2、3日で棟を上げ、外部仕舞いへと進みますが、今回の強敵、ぐにゃりと曲った梁や柱は、そう簡単にはいきません。プレカット工法では手も足も出ず、すべての刻みから大工さんが行います。悪戦苦闘しながらも、打合せを重ねて作業を進めているところです。では、古材が組み上がる木工事のご報告をいたします。

1月中 基礎の養生も終わり、いよいよ土台敷き。土台は、水に強い桧の赤身を使用。現場合わせで大工さんが丁寧にそして的確に刻んでいきます。床下換気は、厚み2cmほどの基礎パッキンを土台と基礎の間に挟みます。そうすることにより、縦・横・斜めの全周換気が可能に。基礎パッキンは、樹脂製やステンレス製など種類は様々。今回は「木を使用したい」とのこと。材料に選んだのは、ウッドデッキなどに使われる、イペという材種です。熱帯広葉樹のイペは硬質で高い耐久性を持っています。そして仕口を合わせていきます。地道な作業ですが、土台は家の重要な位置です。この土台がなければ家はまっすぐ建ちません。慎重に仕上げました。

2月 いよいよ古材が立ち上がります。木の反りや曲がりを見極めた大工さんが一つ一つ丁寧に刻んだものを組みあげていく作業。ピタリとはまるものもあれば少し削って調節するものもあります。少し組んだだけで"固さ"や"削り具合"がわかるのは、大工さんの熟練の技ですね。また、丸太の小屋梁はぐにゃりと曲っているため、"ピタリと はまった 時"は大工さんの腕のよさに感動します。昔の大工さんの組み方がわかる古材の仕口もとてもいい仕事がされていました。昔も今も大工さんはいい腕を持っています。刻んだ木材を上げていくのも一苦労。今でこそレッカーを呼び、ひょいっと上げたり、移動したりとできますが、昔はどうやって動かしていたのでしょう?人力?この現場の棟梁も「機械なんてない時代でも組みあげていくんだから、昔の大工はすごい。」とおっしゃっていました。私もそう感じてしまうほどの迫力と重さに驚きます。

まだまだ木工事も始まったばかり。4月中旬には、棟木も上がっていると思います。ひとつひとつに大工さんが手塩にかけた材が上がっていき建物として姿を表していきます。スケール感や古材のボリューム感が出来上がってくるころにまたご報告できればなと思います。

ページの先頭へ